リラグルチドは用量依存的に体重減少効果を示す。

リラグルチド(商品名ビクトーザ)の体重減少効果です。
今までにもいくつか、リラグルチドと体重減少の論文が報告されていますが、
この論文ではリラグルチドと体重減少の論文3つからリラグルチドが用量依存的に体重減少効果があるかを調べています。



■ 試験デザイン

We report efficacy and safety responses across a wide range of exposure levels, using data from one phase II (liraglutide doses 1.2, 1.8, 2.4 and 3.0 mg), and two phase IIIa [SCALE Obesity and Prediabetes (3.0 mg); SCALE Diabetes (1.8; 3.0 mg)] randomized, placebo-controlled trials (n = 4372).

TPECOに分けると下記のようになります
T リラグルチドのphaseⅡ試験1つ + phaseⅢa試験2つより
P 
 phaseⅢaの試験1より BMI≧30
           BMI27~29.9 + 高血圧か脂質異常症の合併症をもつ患者
 phaseⅢaの試験2より BMI≧27 かつ 2型糖尿病
 phaseⅡの試験より 30≦BMI≦40の非糖尿病

E&C リラグルチド1.2mg, 1.8mg, 2.4mg, 3.0mg 
O 体重減少



■ 結果

Weight loss increased with greater exposure and appeared to level off at the highest exposures associated with liraglutide 3.0 mg in most individuals, but did not fully plateau in men.

体重減少は用量依存性に効果があるようですが、男性では3mgでは十分でない可能性があるようです。

実際どれくらい体重減少するのか?というのはAbstractには記載ないですが
本文のFig1Aをみると、おおよそ男性で7%、女性で8%ほどのようです。



■ 副作用

No exposure-response relationship was identified for any safety outcome, with the exception of gastrointestinal adverse events (AEs).

臨床でも用量依存性に、嘔気等の胃腸症状を訴える患者さんが多い印象です。
日本の上限用量1日0.9mgでも継続ができない方がいるので、3.0mgというのは日本でどのくらいの方が耐えれるかやや疑問があるところです。
現在の保険適応は2型糖尿病ですので、非糖尿病患者では体重減少目的で使用はできません。

体重増加は糖尿病のみならず、多くの疾患の上流に存在していると考えられていることから、
このような体重減少効果としてエビデンスのある薬が体重減少目的として使いやすくなれば、
生活習慣病を上流で食い止めることが可能ではないかと期待します。



■ 参照文献
Wilding JP et al., Diabetes Obes Metab. 2016 May;18(5):491-9. PMID: 26833744

phaseⅢaの試験1、phaseⅢaの試験2、phaseⅡの試験はそれぞれ以下の文献とのことです。
 Pi‐Sunyer X et al., N Engl J Med 2015; 373: 11–22.
 Davies MJ et al., JAMA 2015; 314: 687–699.
 Astrup A et al., Lancet 2009; 374: 1606–1616.