DPP4阻害薬はアジア人によく効く。

論文紹介

DPP4阻害薬はアジア人で効果が大きいといわれながら、実際どれくらいの差なのか疑問に思っていたので調べました。

■ 試験デザイン
TPECOに分けると下記のようになります
T システマティックレビュー 
P DPP4阻害薬を使用した2型糖尿病に対する研究
E アジア人≧50%
C アジア人<50%
O HbA1cと血糖値の低下



■ 結果

A meta-analysis revealed that DPP-4 inhibitors lowered HbA1c to a greater extent in studies with ≥50% Asian participants (weighted mean difference [WMD] -0.92%; 95% CI -1.03, -0.82) than in studies with <50% Asian participants (WMD -0.65%; 95% CI -0.69, -0.60). The between-group difference was -0.26% (95% CI -0.36, -0.17, p < 0.001). The baseline BMI significantly correlated with the HbA1c-lowering efficacy of DPP-4 inhibitors. The RR of achieving the goal of HbA1c <7.0% (53.0 mmol/mol) was higher in studies with ≥50% Asian participants (3.4 [95% CI 2.6, 4.7] vs 1.9 [95% CI 1.8, 2.0]).

アジア人≧50% vs アジア人<50% HbA1cの低下は -0.92% vs -0.65%でその差は-0.26%とそれなりに大きい印象です。 この差を反映してHbA1c<7%の達成率にも差が出ています。

DPP4阻害薬の低血糖になりにくく、HbA1cを下げるという効果を反映してか、日本のDPP4阻害薬処方は多いです。

文献2の2型糖尿病に対する10年間の処方推移のグラフをみると、
DPP4阻害薬が著増し、ビグアナイド薬は微増している程度で、残りのSU薬、チアゾリジン誘導体、グリニド薬、α-GIは減少しております。

メトグルコを処方し、効果がなければDPP4阻害薬かSU薬といった処方が今の所多いのではないでしょうか。
個人的にはDPP4阻害薬とSU薬の価格差は大きいですが、車を運転する方が多いのでDPP4阻害薬を追加することの方が多かったです。今後はジャディアンスの処方とDPP4阻害薬の使い分けが課題になってきそうですね。




■ 参照文献
文献1 Kim YG et al., Diabetologia. 2013 Apr;56(4):696-708. PMID: 23344728
文献2 http://www.my-pharm.ac.jp/~pharmepi/2016.kanai.pdf