SGLT2阻害薬はDPP4阻害薬よりも糖尿病性ケトアシドーシスを増やす。

論文紹介(医療従事者向け)

■ 試験デザイン
TPECOに分けると下記のようになります
T コホートサブ解析
P 2型糖尿病患者
E&C SGLT2阻害薬 vs DPP4阻害薬
O 糖尿病性ケトアシドーシス



■ 結果

Before propensity-score matching, the unadjusted rate of diabetic ketoacidosis within 180 days after the initiation of an SGLT2 inhibitor was about twice the rate after the initiation of a DPP4 inhibitor (4.9 events per 1000 person-years vs. 2.3 events per 1000 person-years) (hazard ratio, 2.1; 95% confidence interval [CI], 1.5 to 2.9). After propensity-score matching, the hazard ratio was 2.2 (95% CI, 1.4 to 3.6)

HRは2.2〜2.5ですが1000人年に2~3人増やす程度です。
SGLT2阻害薬が糖尿病性ケトアシドーシスを増やすかもしれないとFDAから警告される前のデータであることも考慮すると、現在ではさらに低頻度になっているのではないかと思います。

SGLT2阻害薬では正常血糖の糖尿病性ケトアシドーシスが問題となりますが、ケトン体の上昇だけでは意図した脂肪燃焼の効果と区別しづらく、できればpH、血中ケトン体、重炭酸を調べたいところです。
しかし、上記の検査は外注であることや、ケトアシドーシス疑い、代謝性アシドーシス疑いの病名を毎回つけて査定されないかは不明です。

保険による制約を受けながら、どのように糖尿病性ケトアシドーシスを拾い上げるかは今後の課題ではありますが、現時点では、SGLT2阻害薬はインスリン分泌が保たれていなさそうな痩せ型や高齢者では処方を避け、尿中のケトン体と倦怠感や重篤感を頼りにケトアシドーシス精査の判断をしております。



■ 参照文献
Fralick M et al., N Engl J Med. 2017 Jun 8;376(23):2300-2302.
PMID: 28591538