糖尿病患者の足のひび割れには保湿剤を塗るとよいかもしれない。

論文紹介

糖尿病になると、神経障害や血行障害によるためか足の乾燥やひび割れがおこりやすくなります。
ひび割れなどから、細菌が入り込むと感染症を引き起こすため、乾燥やひび割れは積極的に防いでいく必要があります。

診療のフットチェックで皮膚の乾燥がある場合には、保湿剤の使用をオススメしておりましたが、
この論文では保湿剤がすでにある裂傷にどのくらい効果があるかが記載されていたので読んでみました。

■ 試験デザイン
TPECOに分けると下記のようになります
T RCT
P 足に深い裂傷を持った糖尿病患者
E&C 保湿剤 vs プラセボ
O 
主要評価項目:4週間後の評価対象亀裂の完全治癒
4週間後、2週間後の評価対象亀裂の残存度、全体的な亀裂の治癒、皮膚乾燥の改善




■ 結果

The percentage of participants with complete target fissure healing after 4 weeks was higher with test cream than placebo (46.3% vs. 33.3%): the difference did not reach statistical significance (P = 0.088). Fewer participants still had a deep open target fissure with test cream than placebo, the difference was statistically significant and clinically relevant after 2 (24.7% vs. 42.7%, P = 0.027) and 4 weeks (6.4% vs. 24.1%, P = 0.002). The difference in overall fissure healing between test cream and placebo was significant (P < 0.001) and test cream resulted in greater xerosis improvement (P < 0.001 and P = 0.002 at 2 and 4 weeks, respectively).

プラセボがどのようなものだったのかは見つけることができませんでした。
今回使用された保湿剤は、尿素、グリセリン、ペトロラタム(より精製したものがワセリン)が含まれたものであり、これは日常臨床や市販品で使用されている成分でよく似ています。

この保湿剤で、亀裂の改善は明らかに改善度がすぐれております。
足全体の亀裂や皮膚乾燥も改善していることから、足が乾燥している糖尿病患者さんにはこれからも保湿剤を使用することをオススメします。



■ 参照文献
Gin H et al., Diabet Med. 2017 Sep;34(9):1309-1317.
PMID: 28627029

名古屋糖尿病内科クリニック
糖尿病専門医 平井博之