バレニクリンはニコチン置換療法と比較し心血管イベントや精神疾患リスクを増やさない。

論文紹介

■ 試験デザイン
TPECOに分けると下記のようになります
T 後ろ向きコホート
P 禁煙治療を受けたCOPD患者
E&C ニコチン置換療法 vs ブプロピオン or バレニクリン
O 
心血管イベント=虚血性心疾患、脳卒中、心不全、末梢血管疾患、不整脈
精神疾患=うつ病、自傷




■ 結果

Neither bupropion nor varenicline showed an increased risk of adverse events compared with NRT. Varenicline was associated with a significantly reduced risk of heart failure (HR=0.56, 95% CI 0.34 to 0.92) and depression (HR=0.73, 95% CI 0.61 to 0.86). Similar results were obtained from the propensity score analysis.

日本の禁煙補助薬として、ニコチン置換療法とバレニクリン(商品名チャンピックス)が一般に使用されております。バレニクリンは脳内になるニコチン受容体にうまい具合に作用して、タバコを美味しいと感じにくくする薬です。バレニクリンによる禁煙効果はOR 3.1(2.5 to 3.8)*文献2とのことです。

バレニクリンの問題点としては、ふらつきや眠気による自動車運転による問題、因果関係は不明ながら精神状態に作用して抑うつ気分や自傷行動をきたすかもしれないとされていたことです。

今回の研究は後ろ向きコホートではあるものの、禁煙外来での懸念が少し解消されたのではないでしょうか?



■ 参照文献
文献1 
Kotz D et al., Thorax. 2017 Oct;72(10):905-911. 
PMID: 28473506

文献2 
禁煙ガイドライン(2010年改訂版)