一次予防の降圧治療介入は収縮期血圧140mmHg以上が目安かも。

論文紹介

■ 試験デザイン
TPECOに分けると下記のようになります
T: 1000人年以上の追跡を行ったRCTのメタ解析
P: 対象 高血圧患者
E&C: 血糖降下薬 vs プラセボ あるいは目標血圧
O:
総死亡、心血管死亡、主要心血管イベント、冠動脈疾患、脳卒中、心不全、末期腎不全

■ 結果

Seventy-four unique trials, representing 306 273 unique participants (39.9% women and 60.1% men; mean age, 63.6 years) and 1.2 million person-years, were included in the meta-analyses. In primary prevention, the association of BP-lowering treatment with major cardiovascular events was dependent on baseline systolic BP (SBP). In trials with baseline SBP 160 mm Hg or above, treatment was associated with reduced risk for death (RR, 0.93; 95% CI, 0.87-1.00) and a substantial reduction of major cardiovascular events (RR, 0.78; 95% CI, 0.70-0.87). If baseline SBP ranged from 140 to 159 mm Hg, the association of treatment with mortality was similar (RR, 0.87; 95% CI, 0.75-1.00), but the association with major cardiovascular events was less pronounced (RR, 0.88; 95% CI, 0.80-0.96). In trials with baseline SBP below 140 mm Hg, treatment was not associated with mortality (RR, 0.98; 95% CI, 0.90-1.06) and major cardiovascular events (RR, 0.97; 95% CI, 0.90-1.04).

一次予防において主要心血管イベントと降圧薬の関連はベースラインSBPと関連した。と記載がありますが、組み込み論文が2011/11/1以降であるところに注意が必要です。

高血圧治療の歴史として1967年の論文で拡張期血圧115~120mmHgへの降圧薬の治療介入がなされており、相対危険度はなんと0.07(0.02 to 0.28)です。1985年の論文には収縮期血圧160mmHg拡張期血圧90以上への治療介入もされております。2011年以降の論文に限定したため、拡張期血圧への治療介入は効果が判定できなかった可能性があると考えます。

この結果によるとベースラインの収縮期血圧が140以上であれば降圧薬治療の介入をしたほうがよさそうです。
信頼区間が1.00を挟んでおりますが、総死亡RRの信頼区間0.87 to 1.00の意味は、13%~0%死亡率を減らすという意味なので、降圧薬内服は分のよい掛けと私は考えます。

注意点としては治療開始前の血圧であるため、治療後の目標血圧とは厳密には異なる点もあり難しいところです。次回はSPIRNT試験を見ていきたいと思います。

■ 参照文献
Brunström M et al., JAMA Intern Med. 2017 Nov 13
PMID: 29131895

名古屋糖尿病内科クリニック 院長・糖尿病専門医 平井博之