糖尿病患者に対するアスピリン一次予防は心血管疾患を減らすが、出血を増やす。

論文紹介

■ 試験デザイン
TPECOに分けると下記のようになります
T: 試験デザイン RCT f/u 7.4年
P: 患者背景
成人糖尿病患者で心血管イベントの既往をもたないもの

E: 介入 アスピリン 100mg/day
C:比較 プラセボ
O: アウトカム
・有効性評価
非致死的な心筋梗塞、非致死的脳卒中、心血管による死亡
途中で一過性虚血発作を追加
いずれも非出血によるもの

・安全性評価
重大出血事象

■ 結果
A total of 15,480 participants underwent randomization. During a mean follow-up of 7.4 years, serious vascular events occurred in a significantly lower percentage of participants in the aspirin group than in the placebo group (658 participants [8.5%] vs. 743 [9.6%]; rate ratio, 0.88; 95% confidence interval [CI], 0.79 to 0.97; P=0.01). In contrast, major bleeding events occurred in 314 participants (4.1%) in the aspirin group, as compared with 245 (3.2%) in the placebo group (rate ratio, 1.29; 95% CI, 1.09 to 1.52; P=0.003), with most of the excess being gastrointestinal bleeding and other extracranial bleeding.

糖尿病患者さんは心血管疾患が多いため、アスピリンによる予防効果が期待できます。
しかしアスピリンには出血の副作用があるため、心疾患予防効果と出血の副作用の兼ね合いから有効性を考えていかなければいけないのですが、今回の報告ではメリットをデメリットが打ち消し合うぐらいようですね。
平均f/u期間7.4年の報告ですが、今後長期的なf/uが計画されており、臨床判断にかかわってくるよい研究だと思います。

欲をいえばアスピリン+PPIにしてほしかったですね。

それでも今後の結果を期待していきたいと思います。

 

■ 参照文献
ASCEND Study Collaborative Group. N Engl J Med. 2018 Aug 26.
PMID: 30146931

名古屋糖尿病内科クリニック 院長・糖尿病専門医 平井博之