糖尿病患者の運動前ストレステストは心血管アウトカムに影響しないかも

論文紹介

糖尿病が心血管イベントとリスクであり、また心筋梗塞が無症候性で起こり得るということから、糖尿病患者の運動療法前にはmedical checkが推奨されている。 このmedical checkをどこまで実行するかは医師の判断に束ねられています。 こちらの論文では運動負荷テストを心血管リスクをもつ糖尿病患者さんにやった場合と、やらなかった場合で比べています。

 

■ 試験デザイン
TPECOに分けると下記のようになります
T: 試験デザイン  コホート

P: 患者背景
心血管リスクを1つ以上もつ
糖尿病患者 1,705人

E: 介入 運動前負荷テストあり 676人

C:比較 運動前負荷テストなし 1029人

O: アウトカム
心血管アウトカム (血管再建、心血管関連入院、心血管死亡)

 

■ 結果

Among 1,705 people with diabetes, 676 (40%) were referred for pre-exercise stress testing. In patients who were referred for stress testing compared to those who were not, there was no difference in the composite of cardiovascular outcomes (revascularization, cardiovascular-related admissions and cardiovascular-related death) within one year (2.8% vs. 1.9%, p=0.250), or subsequent to the first year (3.1% vs. 4.6%, p=0.164). Within one year, more revascularizations were performed in patients referred for stress testing compared to those who were not (2.1% vs. 0.8%, p=0.027), but not during longer-term follow-up (mean 3.4 years).

 

今回の結果では運動負荷テストによる心血管イベントの差はなかったようです。 運動負荷テストの推奨は、臨床家に運動療法の指導を控えてしまうネガティブな効果があるので個人的には過度な推奨はされるべきではないと考えます。 この論文だけでは決まりませんが、臨床判断に役立つ論文が増えてくるとありがたいですね。

 

■ 参照文献
Marni J. Armstrong, et al. Canadian Journal of Cardiology.
DOI: https://doi.org/10.1016/j.cjca.2018.11.007

名古屋糖尿病内科クリニック 院長・糖尿病専門医 平井博之