フルーツなどの果糖成分による糖尿病への影響ははっきりしないっぽい

論文紹介等

 

糖尿病患者さんに対する果物の影響について興味があったので調べていたところ、この論文を見つけたので紹介です。

■ 試験デザイン
TPECOに分けると下記のようになります
T: 試験デザイン systematic review and meta-analysis
P: 患者背景 糖尿病ありなしの患者
E: 介入 フルクトース含有糖の有無(含有元別)
C:比較
O: アウトカム
HbA1c、空腹時血糖値、空腹時インスリン

■ 結果

155 study comparisons (n=5086) were included. Total fructose-containing sugars had no harmful effect on any outcome in substitution or subtraction studies, with a decrease seen in HbA1c in substitution studies (mean difference -0.22% (95% confidence interval to -0.35% to -0.08%), -25.9 mmol/mol (-27.3 to -24.4)), but a harmful effect was seen on fasting insulin in addition studies (4.68 pmol/L (1.40 to 7.96)) and ad libitum studies (7.24 pmol/L (0.47 to 14.00)). There was interaction by food source, with specific food sources showing beneficial effects (fruit and fruit juice) or harmful effects (sweetened milk and mixed sources) in substitution studies and harmful effects (sugars-sweetened beverages and fruit juice) in addition studies on at least one outcome. Most of the evidence was low quality.

この論文では糖尿病の有無にかかわらない患者を対象にしたと記載されていますが、ベールラインのHbA1cは果糖への置き換え食で7.5%(6.8 to 8.5)、果糖追加食で6.8%(5.5 to 7.1)と高かったようです。

 

全体的に異質性は高いものの、少なくとも他の食材を果物に置き換えて、総カロリーが保たれている場合は糖尿病の悪化はそれほどなさそうな印象です。

 

糖尿病の栄養指導では果物は1単位程度が目安とされることが多いかもしれませんが、あまりはっきりした根拠はないのが現状です。 今回の結果を踏まえても、明確に1単位に制限する理由はないと考えます。

フルーツジュースに関してもこの論文ではそれほど影響はなさそうな結果ですが、個人的にはもう少し糖尿病に悪影響があるような印象があります。

 

■ 参照文献
Choo VL et al., BMJ. 2018 Nov 21;363:k4644.
PMID: 30463844

名古屋糖尿病内科クリニック 院長・糖尿病専門医 平井博之