大腿骨頚部骨折は2型糖尿病患者の死亡リスクと関連する

論文紹介等

骨粗鬆症と糖尿病は学位を取ったときのテーマです。
2型糖尿病では大腿骨頚部骨折のリスクは高く、 健常者の1.7倍です。

今回はさらに、2型糖尿病で大腿骨頚部骨折を起こしたあとに総死亡リスクについて調べていたので、読んでみました。

■ 試験デザイン
TPECOに分けると下記のようになります
T: 試験デザイン コホート研究 約5.3年
P: 患者背景 2型糖尿病患者
E: 暴露 大腿骨頚部骨折あり
C:比較 大腿骨頚部骨折なし
O: アウトカム 総死亡

■ 結果

A total of 309 participants died during follow up. Multivariate-adjusted odds ratios (ORs) for all-cause mortality were significantly higher in participants with hip fractures than those without hip fractures (OR 2.67, 95% confidence interval [CI] 1.54-4.41), whereas the ORs for upper limb fracture were not significant. The ORs for all-cause mortality were significantly higher in participants with CVD than those without CVD (OR 1.78, 95% CI, 1.39-2.70) and ESRD (OR 2.36, 95% CI 1.32-4.05). The ORs for all-cause mortality of hip fracture were not affected by further adjustment for CVD and ESRD (OR 2.74, 95% CI 1.58-4.54). The cause of death was infection (40.0%), malignant neoplasm (25.0%) and CVD (15.0%) among participants with hip fracture.

この結果によると、 大腿骨頚部骨折を起こした2型糖尿病患者さんでは、CVDやESRDで補正しても約2.74倍総死亡リスクが上昇しています。

大腿骨頚部骨折を防ぐ治療としては、骨粗鬆症のビスホスホネート製剤がまずは考えますが、 2型糖尿病患者さんの場合は骨密度が保たれた骨粗鬆症であるため、ビスホスホネート製剤などがどのくらい効果があるのかは別途調べてみる必要があります。

■ 参照文献
Komorita Y te al., J Diabetes Investig. 2019 May 21.
PMID:31111663

2型糖尿病患者における腎機能とオステオカルシン、非カルボキシル化オステオカルシンとの関連
:院長の学位論文です。 よかったら読んでね。

 

名古屋糖尿病内科クリニック 院長・糖尿病専門医 平井博之