VADT後15年のフォローアップではレガシー効果認めず

論文紹介等

■ 試験デザイン
TPECOに分けると下記のようになります
T: 試験デザイン
コホート
VADT後のフォローアップ

P: 患者背景
2型糖尿病
VADT時:平均罹病期間11.5年

E: 介入
厳格治療群 HbA1c<6%

C:比較
標準治療軍 HbA1c<9%

O: アウトカム
複合エンドポイント
致死的・非致死的心血管イベント
心不全悪化
足切断

 

■ 結果

During the trial (which originally enrolled 1791 participants), the separation of the glycated hemoglobin curves between the intensive-therapy group (892 participants) and the standard-therapy group (899 participants) averaged 1.5 percentage points, and this difference declined to 0.2 to 0.3 percentage points by 3 years after the trial ended. Over a period of 15 years of follow-up (active treatment plus post-trial observation), the risks of major cardiovascular events or death were not lower in the intensive-therapy group than in the standard-therapy group (hazard ratio for primary outcome, 0.91; 95% confidence interval [CI], 0.78 to 1.06; P = 0.23; hazard ratio for death, 1.02; 95% CI, 0.88 to 1.18).

高齢かつ罹病期間が長い場合はレガシー効果でにくいのかもしれないですね。

糖尿病によるもの、よらないものに関わらず、身体的な衰えはすでに起きているということではないでしょうか。
例えば、曲がり角に近くなればなるほど、ハンドルをきっても間に合わないように。

今までの試験結果と合わせても、若い内、発症早期から血糖値をコントロールする重要性が再認識されます。

ただし、VADT試験では重症低血糖が21.1%と高かったこと、現在では低血糖を起こしにくく、HbA1cを管理する方法がでてきていることを考えると、これをもってHbA1c目標を決めるべきではないと考えます。

 

■ 参照文献
Reaven PD et al., N Engl J Med. 2019 Jun 6;380(23):2215-2224.
PMID: 31167051

名古屋糖尿病内科クリニック 院長・糖尿病専門医 平井博之