経口血糖降下薬のネットワークメタ分析ではSGLT2阻害薬良い結果。

■ 試験デザイン
TPECOに分けると下記のようになります
T ネットワークメタ分析
P 
経口血糖降下薬を使用したランダム化試験に参加した糖尿病患者
n=101,183

E SGLT2阻害薬
C プラセボ、メトホルミン、SU薬、チアゾリジン、DPP4阻害薬
O 総死亡、心血管死亡、急性冠症候群、心筋梗塞



■ 結果

The relative risks of all-cause mortality with SGLT2 inhibitor use were 0.68 (95% credible interval: 0.57-0.80), 0.74 (0.49-1.10), 0.63 (0.46-0.87), 0.71 (0.55-0.90), and 0.65 (0.54-0.78), compared with placebo, metformin, sulfonylurea, TZD, and DPP4 inhibitor, respectively. The relative risks of cardiovascular-related mortality with SGLT2 inhibitor use were 0.61 (0.50-0.76), 0.81(0.36-1.90), 0.52(0.31-0.88), 0.66(0.49-0.91), and 0.61(0.48-0.77), compared with placebo, metformin, sulfonylurea, TZD, and DPP4 inhibitor, respectively.

ネットワークメタ分析の質的評価については、正直自信がないです。
エンパグリフロジンの結果と、メトホルミン以外の経口血糖降下薬が死亡率低下について効果が乏しかったいままでの結果を考慮すると、確かにこのぐらいの効果はありそうな気がします。

もっともアブストラクトにあるように、今後の研究結果が重要であることはかわりありません。
糖尿病診療の質を大きく変えるかもしれないとSGLT2阻害薬には期待しております。



■ 参照文献
Lee G et al., PLoS One. 2017 May 25;12(5):e0177646
PMID: 28542373

名古屋糖尿病内科クリニック
糖尿病専門医 平井博之