2型糖尿病に対するGLP-1作動薬は心血管イベントに効果あるかも。

■ 試験デザイン
TPECOに分けると下記のようになります
T: 試験デザイン Systematic Reviews of RCT
P: 患者背景   18歳以上の2型糖尿病
E: 介入
GLP-1作動薬
リキシセナチド
リラグルチド
セマグルチド
長時間作動型エキセナチド

C:比較 プラセボ
O: アウトカム
3点主要有害心血管事象
心血管死亡
非致死性心筋梗塞
非致死性脳卒中

■ 結果

Compared with placebo, GLP-1 receptor agonist treatment showed a significant 10% relative risk reduction in the three-point major adverse cardiovascular event primary outcome (cardiovascular mortality, non-fatal myocardial infarction, and non-fatal stroke; HR 0·90, 95% CI 0·82-0·99; p=0·033), a 13% RRR in cardiovascular mortality (0·87, 0·79-0·96; p=0·007), and a 12% relative risk reduction in all-cause mortality (0·88, 0·81-0·95; p=0·002), with low-to-moderate between-trial statistical heterogeneity.

GLP-1作動薬のメタアナリシスだから期待したのだけど、解析された論文がすでに知っている論文で少し残念。あまり新しいデータはでていないのでしょうか?

この報告ではGLP1全体として心血管イベントおよび総死亡に対して効果ありとでております。その中でどの薬剤を選ぶかに関しては、各薬剤の報告と値段や使いやすさで選んでいきます。

文献 一般名 商品名 1キットの価格
ELIXA試験 リキシセナチド リキスミア ¥7171.00
LEADER試験 リラグルチド ビクトーザ ¥10245.00
SUSTAIN 6試験 セマグルチド 日本未承認
EXSCEL試験 長時間作動型エキセナチド ビデュリオン ¥3586.00

*ビデュリオンは1週間分の価格。ビクトーザは1本で約2週間。リキスミアは使用経験がないため何週間分か分からないです。

■ 参照文献
Bethel MA et al., Lancet Diabetes Endocrinol. 2018 Feb;6(2):105-113.
PMID: 29221659

名古屋糖尿病内科クリニック 院長・糖尿病専門医 平井博之