経口セマグルチド(リベルサス)はシタグリプチンより効果ありそうだぞ。

2020/06/02 追記
週1回製剤セマグルチドのオゼンピック・経口セマグルチドのリベルサスが日本でも承認されました。

販売され次第当院でも導入していきます。

GLP1作動薬のセマグルチドが薬価収載でごたごたしているうちに、経口セマグルチド(リベルサス)が出てきそうな勢いですね。 シタグリプチンとの比較論文がでたのでAbstractの紹介です。

■ 試験デザイン
TPECOに分けると下記のようになります
T: 試験デザイン Randomized, double-blind 26w

P: 患者背景
メトホルミンでコントロール不良の2型糖尿病
±SU薬

E: 介入 経口セマグルチド 3mg, 7mg, 14mg
C:比較 シタグリプチン100mg
O: アウトカム HbA1cの変化、BW

■ 結果

Semaglutide, 7 and 14 mg/d, compared with sitagliptin, significantly reduced HbA1c (differences, -0.3% [95% CI, -0.4% to -0.1%] and -0.5% [95% CI, -0.6% to -0.4%], respectively; P < .001 for both) and body weight (differences, -1.6 kg [95% CI, -2.0 to -1.1 kg] and -2.5 kg [95% CI, -3.0 to -2.0 kg], respectively; P < .001 for both) from baseline to week 26. Noninferiority of semaglutide, 3 mg/d, with respect to HbA1c was not demonstrated. Week 78 reductions in both end points were statistically significantly greater with semaglutide, 14 mg/d, vs sitagliptin.

26週の結果をみるとセマグルチド14mgの内服でシタグリプチンよりもHbA1cを下げているようです。 また体重も-2.5kgとなかなかの下げ方ですし、78週ではさらによい結果とのこと。 これは日本での販売を期待したいですね。

ただ、自己注射セマグルチドとエキセナチドERとの比較ではHbA1c1.5%程度下げていたので、HbA1cの低下具合と比べて弱いような印象があります。

自己注射のセマグルチドと経口セマグルチドを比較した情報を探してみます。 見つけたらまた紹介しますね。

■ 参照文献
Rosenstock J et al., JAMA. 2019 Mar 23. doi: 10.1001/jama.2019.2942.
PMID: 30903796

名古屋糖尿病内科クリニック 院長・糖尿病専門医 平井博之