未治療の白衣高血圧は心血管イベントや死亡率が高い。

論文紹介等

今回は白衣高血圧の場合の心血管イベントについての論文です。

診察室での血圧が高血圧であるものの、自宅などの診察室外での血圧では高血圧にならない方を白衣高血圧といいます。

診察室での血圧が140/90 mmHg以上で高血圧と診断された患者さんの15~30%が該当するようです。

診察室外での血圧も高い場合と比べて、臓器障害は軽度であるとの報告はあるがものの、血圧正常と比べてどうかについては議論がありました。

今回の論文が一つの方向性を示しそうです。

 

■ 試験デザイン
TPECOに分けると下記のようになります
T: 試験デザイン
Systematic Review and Meta-analysis
3年以上の追跡調査の観察研究

P: 患者背景
未治療の白衣高血圧 WCH
治療中の白衣高血圧 WCE

E: 介入 C:比較
正常血圧
vs
WCH、WCE

O: アウトカム
心血管リスク

 

■ 結果

Compared with normotension, untreated WCH was associated with an increased risk for cardiovascular events (hazard ratio [HR], 1.36 [95% CI, 1.03 to 2.00]), all-cause mortality (HR, 1.33 [CI, 1.07 to 1.67]), and cardiovascular mortality (HR, 2.09 [CI, 1.23 to 4.48]); the risk of WCH was attenuated in studies that included stroke in the definition of cardiovascular events (HR, 1.26 [CI, 1.00 to 1.54]). No significant association was found between treated WCE and cardiovascular events (HR, 1.12 [CI, 0.91 to 1.39]), all-cause mortality (HR, 1.11 [CI, 0.89 to 1.46]), or cardiovascular mortality (HR, 1.04 [CI, 0.65 to 1.66]).

今回の結果をみると、
未治療の白衣高血圧では心血管イベントが増え、治療をしている白衣高血圧では心血管イベントは増えないという結果です。

白衣高血圧患者さんに降圧薬使用の有無で直接比べた研究ではないため、白衣高血圧に降圧薬を使用すべきかという疑問に対して直接的な答えではないものの、自宅血圧の数字次第では降圧薬の使用は考慮してもよいと考えます。

 

少なくとも白衣高血圧とわかった場合は食事・運動療法を行ったうえで、血圧の経過をみていく必要が状況です。

 

■ 参照文献
Cohen JB et al., Ann Intern Med. 2019 Jun 11.
PMID: 31181575

名古屋糖尿病内科クリニック 院長・糖尿病専門医 平井博之

 

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