収縮期血圧140mmHg以上なら降圧薬の治療介入したほうがよいかも

論文紹介等

2019年の時点で高血圧の診断基準は、診察室血圧が140/90 mmHg以上、家庭血圧なら135/85mmHg以上です。

心血管病のリスクが高い場合の高血圧は、生活習慣の修正と合わせて、ただちに降圧薬を開始することになっております。

また、心血管病のリスクが低〜中等度の場合の高血圧は、生活習慣の修正を指導した1ヶ月後に再評価し、不十分であれば降圧薬を開始することになっております。

 

しかし血圧が140/90mmHg未満であっても、血圧が高めでは心血管リスクが増えることが分かっているので、降圧薬の追加は140/90mmHg未満でも考慮されるべきではないか? という疑問に答えてくれる情報です。

 

■ 試験デザイン
TPECOに分けると下記のようになります
T: 試験デザイン systematic review and meta-analysis

P: 患者背景 高血圧患者

E: 介入 C:比較
血糖降下薬開始時のベースライン血圧

O: アウトカム
総死亡、心血管死、主要心血管イベント、心疾患、脳卒中、
心不全、末期腎不全

 

■ 結果

In primary prevention, the association of BP-lowering treatment with major cardiovascular events was dependent on baseline systolic BP (SBP). In trials with baseline SBP 160 mm Hg or above, treatment was associated with reduced risk for death (RR, 0.93; 95% CI, 0.87-1.00) and a substantial reduction of major cardiovascular events (RR, 0.78; 95% CI, 0.70-0.87). If baseline SBP ranged from 140 to 159 mm Hg, the association of treatment with mortality was similar (RR, 0.87; 95% CI, 0.75-1.00), but the association with major cardiovascular events was less pronounced (RR, 0.88; 95% CI, 0.80-0.96). In trials with baseline SBP below 140 mm Hg, treatment was not associated with mortality (RR, 0.98; 95% CI, 0.90-1.06) and major cardiovascular events (RR, 0.97; 95% CI, 0.90-1.04).

 

今回の結果によると、収縮期血圧140mmHg未満での降圧薬追加はあまり効果がないようですね。

140mmHg以上の場合のRRは上限が1.00となっておりますが、これはもしかしたらRR1.00が真実で効果がないという可能性はありえるものの、RRの幅から考えると、害よりも有益性が大きいと判断します。

 

120〜139/80〜89の正常高値血圧および高値血圧に該当する患者さんに対する食事運動療法がどのようにしていくかが今後の課題です。

 

■ 参照文献
Brunström M et al., JAMA Intern Med. 2018 Jan 1;178(1):28-36.
PMID: 29131895

名古屋糖尿病内科クリニック 院長・糖尿病専門医 平井博之

 

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