タバコと高血圧の死亡率に寄与する割合は高血糖よりも大きい。

動脈硬化を進めるものとして喫煙、高血圧、低身体活動、高血糖、高LDL-C(脂質異常症)の5つが大きな因子です。

今回はそれぞれの因子がどのくらい日本人の死亡率に寄与しているかを調べた論文があったので紹介です。

■ 試験デザイン
TPECOに分けると下記のようになります
T: 試験デザイン
meta-analyses

P: 患者背景
obtained data on the number of cause-specific deaths in 2007 from vital records

E: 介入 C:比較
16の危険因子

O: アウトカム
総死亡

■ 結果

In 2007, tobacco smoking and high blood pressure accounted for 129,000 deaths (95% CI: 115,000-154,000) and 104,000 deaths (95% CI: 86,000-119,000), respectively, followed by physical inactivity (52,000 deaths, 95% CI: 47,000-58,000), high blood glucose (34,000 deaths, 95% CI: 26,000-43,000), high dietary salt intake (34,000 deaths, 95% CI: 27,000-39,000), and alcohol use (31,000 deaths, 95% CI: 28,000-35,000).

アブストラクトには記載ありませんが、これらは総死亡数960,000名に対する寄与死亡数です。

この結果をみると、喫煙と高血圧による寄与死亡数は他のリスクよりも大きく、高血糖の3倍近くのリスクとなるようですね。

食事と運動は高血圧、低身体活動、高血糖、高食塩摂取、アルコール、高脂血症すべてに関わってきます。

禁煙はもちろんのこと、やはり食事と運動が日本人の健康にとって重要なことが分かりますね。

禁煙をしつつ、食事運動療法で高血圧、運動不足、糖尿病、脂質異常症の予防・治療をしながら目標達成が不十分であれば薬の力にも頼っていきましょう。

■ 参照文献
Ikeda N et at., PLoS Med. 2012 Jan;9(1):e1001160.
PMID: 22291576

名古屋糖尿病内科クリニック 院長・糖尿病専門医 平井博之