メトホルミン(メトグルコ)とSGLT2阻害薬の併用についてまとめてみました。 *2015/8/5作成
まずはSGLT2阻害薬の一般名と商品名、長期処方解禁の時期です
一般名
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商品名
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長期処方解禁
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イプラグリフロジン
ipragliflozin
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スーグラ
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2015年5月
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ダパグリフロジン
dapagliflozin
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フォシーガ
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2015年6月
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トホグリフロジン
tofogliflozin
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アプルフェイ
デベルザ
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2015年6月
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ルセオグリフロジン
luseogliflozin
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ルセフィ |
2015年6月
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カナグリフロジン
canagliflozin
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カナグル |
2015年10月
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エンパグリフロジン
empagliflozin
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ジャディエンス
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2016年3月
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・SGLT2阻害薬単剤でのsystematic review(文献1)では
・HbA1cは0.66%ぐらい低下させる
・他の血糖降下薬より体重が1.8kgほど低下する
・尿路感染症のオッズ比は1.42倍、生殖器感染症のオッズ比は5.06倍
2型糖尿病では、メトグルコを第一選択にしているので各SGLT-2阻害薬 + metforminでpubmed検索したところ、トホグリフロジン、ルセオグリフロジンはHITしませんでした。(2015/7/31検索)
イプラグリフロジン、ダパグリフロジン、カナグリフロジン、エンパグリフロジンについての論文は以下のリンク先で紹介しています。
・メトホルミンとイプラグリフロジン(スーグラ)の併用 文献2
・メトホルミンとダパグリフロジン(フォシーガ)の併用 文献3, 4
・メトホルミンとカナグリフロジン(カナグル)の併用 文献5, 6, 7
・メトホルミンとエンパグリフロジン(ジャディアンス)の併用 文献8
この中でも
ダパグリフロジン:102週までの長期成績があるのが強い
カナグリフロジン:
・52週間の試験
・第二選択薬としてグリメピリドとの比較
・アジア人を対象にした研究
と参考になる論文が多いので助かりますね。また規格が100mgのみなので、商品管理も楽。
新薬の宿命として、アウトカムは代用アウトカムになってしまうのは仕方がないことです。
メトグルコを使用したうえで、第二選択としてある程度エビデンスのある他の薬剤を使用するのか、それとも体重減少が期待できるが、真のアウトカムが不詳な薬剤を使うのかは選択肢としてもっておいてもよいと思います。
個人的には、ある程度若くて、肥満で心血管合併症がまだない人のうち、体重減少の希望が強い方が対象だと思います。
使用する際に注意するポイントとしては、
・尿路感染症、性器感染症症状の有無
・体重と倦怠感
・尿中ケトン体(できれば血中ケトン体)
・Hb, Ht
は通常の糖尿病管理よりも注意して観察しています。
少ない使用経験ですが、飲水履行させていてもHtが上昇してくることがある印象です。
HtとHbは多血症などを参考にして、
・男性 Ht ・女性 Ht55%では必ず中止にして、Ht>60%には絶対しないように注意しています。
このあたりは、今後の情報を参考にしていく必要がありますね。
文献1 Ann Intern Med. 2013 Aug 20;159(4):262-74. PMID: 24026259
文献2 Diabetes Obes Metab. 2013 May;15(5):403-9. PMID: 23163880
文献3 Lancet. 2010 Jun 26;375(9733):2223-33. PMID: 20609968
文献4 BMC Med. 2013 Feb 20;11:43. PMID: 23425012
文献5 Diabetologia. 2013 Dec;56(12):2582-92. PMID: 24026211
文献6 Expert Rev Clin Pharmacol. 2014 Jan;7(1):21-3. PMID: 24308786
文献7 Diabetes Obes Metab. 2015 Jan;17(1):23-31. PMID: 25175734
文献8 Diabetes Care. 2014 Jun;37(6):1650-9. PMID: 24722494