リラグルチドの減量効果はオルリスタットを上回る。

ランセットからもリラグルチド(商品名ビクトーザ)の体重減少効果について論文がでていました。 こちらの論文では、プラセボだけでなく、オルリスタットとの比較もあり、開始後の週数に応じた体重減少グラフが記載されていたので参考になりました。

■ 試験デザイン

TPECOに分けると下記のようになります

T: 試験デザイン

プラセボに対してRCT

オルリスタットに対してオープンラベル

P: 患者背景

BMI30~40の非糖尿病患者

E: 介入

リラグルチド1.2mg, 1.8mg, 2.4mg, 3.0mg

C:比較

RCT:プラセボ

オープンラベル:オルリスタット

O: アウトカム

体重減少

■ 結果

Participants on liraglutide lost significantly more weight than did those on placebo (p=0.003 for liraglutide 1.2 mg and p<0.0001 for liraglutide 1.8-3.0 mg) and orlistat (p=0.003 for liraglutide 2.4 mg and p<0.0001 for liraglutide 3.0 mg). Mean weight loss with liraglutide 1.2-3.0 mg was 4.8 kg, 5.5 kg, 6.3 kg, and 7.2 kg compared with 2.8 kg with placebo and 4.1 kg with orlistat, and was 2.1 kg (95% CI 0.6-3.6) to 4.4 kg (2.9-6.0) greater than that with placebo. More individuals (76%, n=70) lost more than 5% weight with liraglutide 3.0 mg that with placebo (30%, n=29) or orlistat (44%, n=42).

下記参考文献から引用

近いうちに日本でも使える最大用量である1.8mgでみると、-7.2kgとなかなかの成績です。

ただしこれは、試験参加者全員に栄養指導されており食事カロリーは500kcal減らされているので、 プラセボ2.8kgの減量効果を引くと4.4kgといったところでしょうか?

臨床で使用している実感としては、もう少し体重が減る印象があります。

リラグルチドの食欲低下作用が、参加者へのカロリー減量指示と重なってしまっているのではないかと考えます。

このグラフを見ると、リラグルチド1.8mgの上限用量で使用する場合は12週間まではしっかり体重減少している印象がありますね。

■ 参照文献

Astrup A et al., Lancet. 2009 Nov 7;374(9701):1606-16.
PMID: 19853906

■ 当院の紹介

名古屋糖尿病内科クリニック
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名古屋中村区で糖尿病内科を開業しています。 糖尿病が専門分野で高血圧、脂質異常症などの生活習慣病が得意ですがCPAPなど他の内科も対応しています。 また外来でのインスリン導入や栄養指導が可能で、妊娠糖尿病や糖尿病合併妊娠にも対応できます。

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名古屋糖尿病内科クリニック 院長・糖尿病専門医 平井博之