GLP1作動薬による体重減少効果としては、セマグルチド、リラグルチド(ビクトーザ)が選択肢になりますが、2019/12/11時点ではまだセマグルチドが使用できず、当院ではリラグルチドを使用しております。
リラグルチド(ビクトーザ)で体重減少の効果がありながら、注射部位の発赤、痒みといった局所アレルギーのような症状で使用中止となっている方がいるので、他のGLP1作動薬の選択肢を検討しております。
今回エキセナチドの糖尿病がない方の体重減少効果についての論文を見つけたので紹介します。
■ 試験デザイン
TPECOに分けると下記のようになります
T: 試験デザイン
A systematic review and meta-analyses of randomized controlled trials
P: 患者背景
糖尿病のない過体重と肥満患者
E: 介入
エクセナチド
C:比較
コントロール群(詳細記載はAbstractになし)
O: アウトカム
体重減少
BMIの低下
■ 結果
Compared with control group, a larger body weight loss (MD: -4.47kg; 95% CI: -6.67 to -2.27; P<0.0001), regardless of dosage and population, was achieved by the obese or overweight patients in exenatide group. Exenatide also elicited a greater reduction in BMI (MD: -0.86kg/m(2); 95% CI: -1.39 to -0.33; P=0.001) and waist circumferences (MD: -1.78cm; 95% CI: -3.13 to -0.44; P=0.009) compared with the control.
この結果をみると、12~24週間で-4.47kgの体重減少効果がありまた容量や母集団によって効果に差がないとの報告ですが、日本人2型糖尿病を対象として試験では、5μgと10μgでは5μgではプラセボとほぼ変わらず、10μgでは有意な体重減少であったと報告されています。(文献2)
また週1回エキセナチド(ビデュリオン)はエキセナチド1日2回に比較して体重減少効果は乏しいと報告されています。(文献3)
これらより、ビクトーザやセマグルチドが使用できなかった場合のGLP1作動薬としてはエキセナチド(バイエッタ)も選択肢になるかと思います。
■ 参照文献
- Su N et al., Int J Cardiol. 2016 Sep 15;219:293-300.
PMID: 27343423 - Kadowaki T et al., J Diabetes Investig. 2011 Jun 5;2(3):210-7.
PMID: 24843486 - Linong Ji et al., J Diabetes Investig. 2013 Jan 29; 4(1): 53–61.
PMID: 24843631
■ 当院の紹介
名古屋糖尿病内科クリニック
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名古屋中村区で糖尿病内科を開業しています。 糖尿病が専門分野で高血圧、脂質異常症などの生活習慣病が得意ですがCPAPなど他の内科も対応しています。 また外来でのインスリン導入や栄養指導が可能で、妊娠糖尿病や糖尿病合併妊娠にも対応できます。
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GLP1作動薬を使ったGLP1ダイエット外来を始めてから、メディカルダイエットや医療痩身についても興味を持っています。
名古屋糖尿病内科クリニック 院長・糖尿病専門医 平井博之