北品川藤クリニック院長のブログで紹介されていた論文です。
体重を減らすために、毎日体重計に乗りましょうという指導をしています。 確かに毎日体重測定されている方のほうが、体重減少しやすい実感はあったのですが、どのくらいの差が出るものかは疑問でした。
今回の論文は、週7回と週平均5.4±1.2日であっても差があったという報告です。
■ 試験デザイン
TPECOに分けると下記のようになります
T: 試験デザイン
以前に行われた6ヶ月RCTを縦断解析したもの
P: 患者背景
過体重の男女47名
E: 介入 C:比較
体重測定頻度
+
週一回のemailレッスン
個別フィードバック
O: アウトカム
体重測定頻度と体重変化
体重管理行動、食事、身体活動をアンケートで評価
■ 結果
Fifty-one percent of participants weighed every day (n=24) over 6 months. The average self-weighing frequency among those weighing less than daily (n=23) was 5.4±1.2 days per week. Daily weighers lost significantly more weight compared with those weighing less than daily (mean difference=-6.1 kg; 95% CI -10.2 to -2.1; P=0.004). The total number of weight control behaviors adopted was greater among daily weighers (17.6±7.6 vs 11.2±6.4; P=0.004). There were no differences by self-weighing frequency in dietary strategies, calorie intake, or calorie expenditure.
週7回と週5.4±1.2で減量に約6kgの差がでているのは驚きですね。 食事戦略や摂取カロリー、消費カロリーは有意差はつかなかったようです。 有意ではないものの差はあるようですし、体重も減っているので検出力によるものかもしれません。
体重管理行動は改善しており、デザートや間食を減らし、日常生活動作、運動などの項目には差がついています。
これらを踏まえると、毎日の体重測定は効果があると考えます。 この研究で実施されている週1回のemailレッスンや個別フィードバックがどのくらい診療でもできるかが課題ですね。
今回の報告を糖尿病やダイエット外来の診療に生かしていきたいと思います。
■ 参照文献
- Steinberg DM et al., J Acad Nutr Diet. 2015 Apr;115(4):511-8. PMID: 25683820
- 北品川藤クリニック院長のブログ
■ 当院の紹介
名古屋糖尿病内科クリニック
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名古屋中村区で糖尿病内科を開業しています。 糖尿病が専門分野で高血圧、脂質異常症などの生活習慣病が得意ですがCPAPなど他の内科も対応しています。 また外来でのインスリン導入や栄養指導が可能で、妊娠糖尿病や糖尿病合併妊娠にも対応できます。
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GLP1作動薬を使ったGLP1ダイエット外来を始めてから、メディカルダイエットや医療痩身についても興味を持っています。
名古屋糖尿病内科クリニック 院長・糖尿病専門医 平井博之