副腎偶発腫瘍(非機能性 or 軽度のコルチゾル分泌)の自然経過

論文紹介等

日常臨床でも時々みかける副腎偶発腫瘍を管理していくのに、自然経過の情報が欲しいと思っていたところでした。

副腎偶発腫瘍の自然経過について報告されていたので紹介します。

■ 試験デザイン

TPECOに分けると下記のようになります

T: 試験デザイン

A Systematic Review and Meta-analysis.

P: 患者背景

下記の副腎偶発腫瘍を持つ成人

非機能性 NFAT or 軽度のコルチゾル分泌 MACE

STUDY SELECTION

  • NFATかMACEを20人以上の管理している
  • ベースラインと12ヶ月以上でアウトカムが報告されている

O: アウトカム

  • 腫瘍の成長率
  • 悪性転化率
  • ホルモン機能変化率
  • 心血管イベント
  • 代謝疾患
  • 死亡率

■ 結果

Thirty-two studies reported outcomes of 4121 patients with NFAT or MACE, 61.5% of whom were women; the mean age was 60.2 years, and mean follow-up was 50.2 months. Mean tumor growth was 2 mm over 52.8 months. Clinically significant tumor enlargement (≥10 mm) occurred in 2.5% of patients, and none developed adrenal cancer. Clinically overt hormone excess was unlikely to develop (<0.1%) in patients with NFAT or MACE. Only 4.3% of patients with NFAT developed MACE, and preexisting MACE was unlikely to resolve (<0.1%). Hypertension, obesity, dyslipidemia, and type 2 diabetes were highly prevalent (60.0%, 42.0%, 33.7%, and 18.1% of patients, respectively) and were more likely to develop and worsen in MACE than NFAT. New cardiovascular events were more prevalent in MACE (15.5%) than NFAT (6.4%). Mortality was 11.2% and was similar between NFAT and MACE.

臨床的に問題となる、悪性転化、10mm以上の腫瘍増大やホルモン産生の頻度は、52ヶ月の経過ではそれほど大きくはなさそうです。

LIMITATION:
Evidence was scarce, and definitions of MACE and comorbid conditions were heterogeneous.

高血圧、肥満、脂質異常症、糖尿病の併存率はやはり高いようですが、上記のリミテーションにエビデンスは乏しく、MACEと併存疾患の定義にはバラツキが多かったと記載されているため評価には注意が必要です。

また、日本は世界の中でもCT検査台数が多く、他国では見つからないような状態でも副腎偶発腫瘍が発見されているため上記数字は直接当てはまらない可能性は十分にあります。

それでも今まであまりなかった情報なので、今後の診療に活かせると思います。

■ 参照文献

  1. Elhassan YS et al., Ann Intern Med. 2019 Jul 16;171(2):107-116.  PMID: 31234202

■ 当院の紹介

名古屋糖尿病内科クリニック
〒450-0002
名古屋市中村区名駅3丁目22番8号 大東海ビル3階308号

名古屋中村区で糖尿病内科を開業しています。 糖尿病が専門分野で高血圧、脂質異常症などの生活習慣病が得意ですがCPAPなど他の内科も対応しています。 また外来でのインスリン導入や栄養指導が可能で、妊娠糖尿病や糖尿病合併妊娠にも対応できます。

患者さまの転居等でご紹介先をお探しの方は是非当院へ。
GLP1作動薬を使ったGLP1ダイエット外来を始めてから、メディカルダイエットや医療痩身についても興味を持っています。

 

名古屋糖尿病内科クリニック 院長・糖尿病専門医 平井博之

タイトルとURLをコピーしました