COVID-19(新型コロナ)と血糖コントロールについての論文がでていたので紹介です。
■ 試験デザイン
TPECOに分けると下記のようになります
T: 試験デザイン
retrospective
P: 患者背景
COVID-19で入院中
E: 暴露 C:比較
925人の2型糖尿病
6385人の非2型糖尿病
O: アウトカム
死亡率
■ 結果
We found that subjects with T2D required more medical interventions and had a significantly higher mortality (7.8% versus 2.7%; adjusted hazard ratio [HR], 1.49) and multiple organ injury than the non-diabetic individuals. Further, we found that well-controlled BG (glycemic variability within 3.9 to 10.0 mmol/L) was associated with markedly lower mortality compared to individuals with poorly controlled BG (upper limit of glycemic variability exceeding 10.0 mmol/L) (adjusted HR, 0.14) during hospitalization.
血糖値は単位がmmolで記載されていますが、18をかけるとmg/dLに換算できます。
糖尿病患者では非糖尿病よりも死亡率が高い報告は以前にされていましたが、今回は血糖コントロールで死亡率が10倍近く異なることが報告されました。
レトロスペクティブなのでこの報告のみで入院中や普段の血糖コントロールを改善しておくことが、COVID-19の死亡率改善につながるかは議論できません。
しかし過去のICUや重症管理に準じて入院中の血糖コントロールはしっかりとしたほうが良いと考えます。 もちろん普段の血糖コントロールも良い状態にしておくことが望ましいでしょう。
■ 参照文献
- Zhu L et al., Cell Metab. 2020 May 1. pii: S1550-4131(20)30238-2. PMID: 32369736
■ 当院の紹介
名古屋糖尿病内科クリニック
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名古屋中村区で糖尿病内科を開業しています。 糖尿病が専門分野で高血圧、脂質異常症などの生活習慣病が得意ですがCPAPなど他の内科も対応しています。 また外来でのインスリン導入や栄養指導が可能で、妊娠糖尿病や糖尿病合併妊娠にも対応できます。
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GLP1作動薬を使ったGLP1ダイエット外来を始めてから、メディカルダイエットや医療痩身についても興味を持っています。
名古屋糖尿病内科クリニック 院長・糖尿病専門医 平井博之