PrEPとは
PrEP(Pre-Exposure Prophylaxis/暴露前予防内服)は、性交渉をする前からHIVの薬を内服し、HIV感染のリスクを減らすというHIVの予防方法です。
決められたスケジュールを守り内服できれば、性行為からHIVに感染するリスクを99%減らすことができます。
PrEPの対象者
HIV陰性かつ下記のいずれかの項目を満たす方にオススメです
- 男性とセックスをする男性
- HIV陽性の性的パートナー
- 最近の細菌性STI
- 多数のセックスパートナー
- コンドームなしでセックスすることがある
- セックスワーカー
- 異性間でセックスをする女性と男性
- HIV陽性の性的パートナー
- 最近の細菌性STI
- 多数のセックスパートナー
- コンドームなしでセックスすることがある
- セックスワーカー
- nPEP(非医療従事者の暴露後予防)からの移行
- nPEPを繰り返し受ける患者
nPEPから移行する場合は28日間コースの最後にHIV検査を繰り返し行う必要があります。
- nPEPを繰り返し受ける患者
取り扱っている薬剤
当院ではTruvadaのジェネリックであるRicovir EM (TDF-FTC)を海外から輸入しています。
他院では国内正規品で加療されている所もございますが、海外からの輸入品のメリットは圧倒的に安価であることです。
今までガーダシル9などの輸入ワクチンで当院とすでに取引をしている信頼のできる業者様を通じて仕入れています。
処方の流れ
検査の必要性から、現時点では初診でのお渡しはできません。
初診
採血と尿の検査を行います。
- HIV抗原・抗体検査
ただし検査の4週間以内に発熱等の感冒症状があった方は、感染の有無を調べられないので、感冒症状後4週間以上経ってから始めるようにしましょう。 - HBs抗原・HBc抗体・HBs抗体・HCV抗体
B型肝炎とC型肝炎の感染状況を調べます。 - 腎機能
eGFR 60未満の場合は、当院採用薬であるRicovir EMの処方はできないです。 需要があれば、eGFR30~60でも使用できるPrEPを仕入れることも考えます。 - 肝臓機能
- 妊娠検査
再診
検査は1週間ほどで結果がでます。 問題なければ処方可能です。
オンライン再診+郵送も対応致します。
再診以降
初回の処方開始約28日後ぐらいに、診察と採血で副作用の確認を行います。
以後は3ヶ月毎の診察・検査になります。
内服方法
毎日内服
一番信頼のある方法です。 肛門性交・膣性交・薬物注射いずれにも効果があります。
オンデマンドPrEP
肛門性交にのみ適応があります。
- 性交渉の2~24時間前に1回目の服用2錠剤
- 2回目の服用は1回目の24時間後に1錠
- 3回目の服用は1回目の48時間後に1錠
効果発現までの期間
はっきりとしたデータはないので、薬が最大の濃度に達成する期間を参考にします。
PrEP開始後、それぞれの組織で最大濃度に達成する日にちは、直腸組織約7日間、血液中20日間、子宮頸部膣組織中20日間、陰茎組織中不明。
これらより安全下記の方法を提案します。
- 肛門性交を受ける側場:PrEP開始7日以降
- 膣性交を受ける側場 :PrEP開始20日以降
- 肛門・膣に入れる側 :PrEP開始20日以降
いつまで飲むべきか
最後のハイリスク暴露から1ヶ月ほど内服を続けましょう。
費用
Ricovir EM 1ボトル30錠 20,000円(税別)
初診時のみ検査料として別途 ¥,6000(税別)が必要です。
処方後の検査料は上記価格に含みます。
輸入品のため、仕入れ状況により変動します。
副作用について
副作用には吐き気・下痢・頭痛などがあります。 症状が強い方は早めに相談してください。 その他の副作用として肝機能障害・腎障害などがあります。 定期的な検査を受けるようにしましょう。
自費診療での副作用に対する治療費は、保険診療や医薬品副作用被害救済制度の対象外となる可能性があります。
その他注意事項
- PrEP開始後少なくとも7日間程度はリスク行為を避けるようにしてください。
- PrEPは高確率でHIV感染症は予防できますが、他の性感染症には効果がありません。コンドームを使用するようにしましょう。
- PrEPはHIV感染を確実に予防できるものではありません。
- PrEP開始後もHIVやB型肝炎などの定期的な検査が必要です。
- HIV感染に気付かず、PrEPを開始・継続してしまうと一部の抗HIV薬が効かなくなる可能性があります。
- 一度お支払い頂いた検査費用や薬剤費用の返金、薬剤の返品はできません。
- 輸入状況によっては、価格の変更や取り扱いが中止になる可能性があります。