自費診療で減酒薬セリンクロの取り扱いを始めました。

本当はアルコール依存症外来に受診すべき

アルコール依存症および多量飲酒者は原則としてアルコール依存症外来に通院し、できれば減酒ではなく断酒することをお勧めします。

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また、アルコール依存症や多量飲酒者(アルコール換算で男性なら1日60g以上、女性なら1日40g以上)であれば、アルコール依存症外来受診により保険診療で加療できる可能性があります。

しかし現実にはアルコールとの付き合い方に問題を抱えながらも、アルコール依存症外来に受診できていない方がほとんどです。

当院での今までの対応とこれからの対応

今までの対応

  1. アルコール有害使用者をスクリーニング
  2. 簡易介入
  3. アルコール依存症外来への紹介

残念ながらアルコール依存症外来への受診はなかなか難しく、現実的には2の段階でストップしている状態でした。

これからの対応

  1. アルコール有害使用者をスクリーニング
  2. 簡易介入
  3. 当院で可能な範囲内での心理社会的療法+セリンクロ
  4. アルコール依存症外来への紹介

3の段階を導入することで、今まで2でストップしていた方への治療強化が可能になります。 またセリンクロで効果がなかったり、副作用で使えなかった場合にはアルコール依存症外来に受診しやすくなるのではないかと考えます。

何よりもセリンクロが必要だと認識した時点で、アルコールの問題を受け入れており、治療の大きな一歩を踏み出しています。

残念ながら保険診療ではセリンクロの処方には制約があるため、当院での減酒薬処方は自費診療になります。

減酒薬セリンクロについて

セリンクロの効果

セリンクロはアルコールによる脳への過剰な快楽刺激を減らし、不足時に発生する過剰な不快を軽減することで減酒効果を発揮します。

セリンクロはアルコール依存症、多量飲酒者(アルコール換算で男性なら1日60g以上、女性なら1日40g以上)を対象とした臨床研究(文献1)で、1ヶ月あたりの多量飲酒日回数と1ヶ月当たりの平均アルコール量を減らしました。

現時点ではアルコール換算男性60g/day、女性40g/day未満の使用者についての臨床試験は見当たりませんでした。

セリンクロの副作用と注意点

オピオイド系薬剤使用者(鎮痛薬・麻酔薬・違法薬剤に含まれます)では使うことができません。

主な副作用には下記のものがあります。

  • 吐き気・胸焼け・胃部の不快感
  • ふらつき・浮遊感
  • 日中の眠気・注意力の低下
  • その他(肝機能障害・自殺念慮・アレルギー等)
日中の眠気や注意力の低下をきたす可能性があるため自動車の運転や機器の操作をする際には注意が必要です。

内服方法

1回1錠を飲酒の1~2時間前に内服します。
服用を忘れて飲酒をはじめた場合、通常は飲酒終了までなら気づいた時に服用

価格

セリンクロ10mg1錠 ¥550(税込み)

  • 当院での減酒治療は自費診療です。
  • 自費診療のため副作用発生時の治療費は、保険診療や医薬品副作用被害救済制度の対象外となる可能性があります。

文献

  1. Psychiatry Clin Neurosci. 2019 Nov;73(11):697-706.
    PMID: 31298784
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