糖尿病の診断とその根拠について教えて下さい。
糖尿病は慢性的な高血糖状態になる病気です。
それでは、糖尿病と診断するためのHbA1cや血糖値の数字の根拠はどこにあるのでしょうか? 今回は、HbA1cや血糖値で糖尿病と診断する数字の根拠について説明していきます。
糖尿病の診断
血糖値やHbA1c、自覚症状、網膜症の状態から慢性の高血糖を確認することで診断します。
- 血糖値による糖尿病型が2回以上
- 血糖値による糖尿病型 + HbA1c 6.5%以上
- 血糖値による糖尿病型 + 糖尿病の典型的な症状
- 血糖値による糖尿病型 + 確実な糖尿病網膜症
これらは血糖値が慢性的な高い状態であることを示しています。
診断の手順は糖尿病学会のフローチャートも分かりやすいです。
糖尿病型の値
- 血糖値による糖尿病型:下記のいずれか
- 空腹時≧126mg/dL
- OGTT2時間≧200mg/dL
- 随時血糖値200mg/dL
- HbA1cによる糖尿病型:≧6.5%
糖尿病型を判断する値の根拠
糖尿病網膜症の頻度がHbA1c 6.5%を超えると急増することが根拠です。
またHbA1c6.5%に相当する空腹時血糖値が126mg/dL, 75gOGTT2時間値が200mg/dLであるため、血糖値についてはこれが根拠となります。
Diabetes Res Clin Pract. 2000 Dec;50(3):225-30
実際どれくらい網膜症の頻度が増えるかは下記のグラフが参考になります。 HbA1c6.5%のところで傾きが大きくなっていることが分かると思います。
HbA1c < 4.9% 0.06%
HbA1c 6.5~6.9% 0.59%
HbA1c > 8.5%: 約10%
といった具合ですね、
Diabetes Care. 2009;32:1327-34より引用
まとめ
- 糖尿病は血糖値やHbA1c、自覚症状、網膜症の状態から慢性の高血糖を確認することで診断します。
- 診断基準における数字の根拠は糖尿病網膜症の頻度が急増する値です。