糖尿病患者でも免許取得は可能です
糖尿病でも車の免許を取ることや、運転することが可能です。
ただし無自覚性低血糖がある場合には道路交通法により制限されることがあります。
無自覚性低血糖とは
低血糖の典型的な症状では、血糖値が低下すると意識を失う前に冷や汗や動悸、震えといった交感神経症状が出る。 しかし無自覚性低血糖ではこれらの交感神経症状が出現せず、突然意識が低下ため適切な対処ができない危険があります。
無自覚性低血糖がある車の免許は取れないのか?
無自覚性低血糖がある患者さんに対して運転を控えるべきかどうかに関しては経験豊かな専門医でも判断が難しいところですが、個人的には「控えるべき」と考えます。
ただし、過去に無自覚性低血糖になったことがあっても、現在低血糖の前兆が自覚できる場合や運転中の意識消失等を防止するための措置が取れている場合で、医師が運転可能と判断した場合には運転免許を取ることができます。
無自覚性低血糖は治るのか?
低血糖が起きない状態を続けていくと、低血糖に対する交感神経反応が回復し、再度低血糖時に交感神経症状が出現するようになるという報告があります。
免許取得の可否や免許の行政処分
道路交通法の一部改正(平成25年6月14日公布)により、無自覚性低血糖などの一定の病気等がある場合は、免許取得の可否や免許の行政処分は、病気の症状や程度によって個別に判断されることになりました。
関係する機会は主に3種類
- 免許の取得や更新更新をする時
- 事故をおこたした時
- 医師から任意の届け出があった時(守秘義務の例外)
免許の取得や更新更新をする時
公安委員会は、免許の取得・免許証の更新をしようとする人に対して、一定の病気等に該当するか判断するための質問票を交付することができます。
※虚偽の記載1年以内の懲役又は30万円以下の罰金
事故をおこした時
免許を受けた方が交通事故を起こし、事故の状況から一定の病気等にかかっていると疑われる場合、免許の効力を3か月を超えない範囲内で期間を定めて停止することができることとなり、この期間内に公安委員会は医師による臨時適性検査を実施します。
医師から任意の届け出があった時(守秘義務の例外)
無自覚性低血糖の存在を疑った場合、事故を起こした場合などに医師から報告することもできます。 ただし現実的な運用は難しいかもしれません。
医師の診断について
医師の診断については「一定の病気に係る免許の可否等の運用基準」に従って判断します。
ポイントは以下の2点です。
- 前兆を自覚できているか否か
- 運転中に意識消失等を防止するための措置が実行できているか否か
前兆が自覚できていない場合でも、2を満たしかつ医師が運転可能と判断して場合には運転免許は拒否等は行わないようです。
低血糖の対応は糖尿病治療を行っていく上で必須です。特に名古屋では車は日常生活にかかせないものであるからこそ十分な対策を行って運転したいですね。
運転時の低血糖対策(参考)
- 必ずブドウ糖を携帯しましょう
- 体調に異変を感じたらハザードランプを押してすぐに停車しましょう
- できれば運転前に自己血糖測定をしましょう
- 時間毎に休憩をしましょう
まとめ
- 無自覚性低血糖では運転免許の制限が行われる可能性があります。
- 無自覚性低血糖がある場合には医師と相談しましょう。
- 糖尿病治療をされている場合は運転時の低血糖対策を知っておきましょう