妊娠と血糖値について

SUMMARY

  • 計画妊娠が必要
  • 治療は食事・運動・インスリン
  • 内服薬は胎児への影響を考慮して通常使用しない
  • 通常の糖尿病よりも目標血糖値が厳格
  • 妊娠週数とともにインスリンが効きにくくなる
  • 分娩後は改善するが、定期受診は必要

妊娠中の糖尿病スクリーニング検査

実は妊娠糖尿病のスクリーニング方法は世界的に統一されていないです。 日本糖尿病学会では下記のうち1項目あれば75gOGTTを行うことを推奨しています。

  • 初診時血糖値 ≧ 100 mg/dL
  • 妊娠24~28週の随時血糖値 ≧ 100mg/dL
  • 妊娠24~28週の50gOGTT1時間値 ≧ 140mg/dL

妊娠中の糖代謝異常分類

妊娠糖尿病(GDM)

  • 妊娠中期の75gOGTTで以下のいずれか一つを満たす
    • 負荷前血糖値 ≧ 92 mg/dL
    • 1時間後血糖値 ≧ 180 mg/dL
    • 2時間後血糖値 ≧ 153 mg/dL

妊娠中の明らかな糖尿病

  • 以下のいずれか一つを満たす
    • 空腹時血糖値 ≧ 126 mg/dL
    • HbA1c (NGSP) ≧ 6.5%
  • 下記がある場合は妊娠中の明らかな糖尿病を念頭におく
    • 随時血糖値 ≧ 200 mg/dL
    • 75gOGTT2時間値 ≧ 200 mg/dL

糖尿病合併妊娠

  • 妊娠前にすでに診断された糖尿病
  • 確実な糖尿病網膜症があるもの

 

妊娠のための目安

高血糖の状態では母児に悪い影響がでるため。計画妊娠が必要です。

  • HbA1c ≦ 7.0%
  • 眼症 良性網膜症に安定していること
  • 腎症 ≦ 腎症2期(微量アルブミン尿) 

妊娠中の目標値

妊娠中の血糖値目標は、通常の糖尿病治療よりも厳しく設定されます。 そのため専門医による治療が必要です。

  • 空腹時血糖値 < 95 mg/dL
  • 食後1時間血糖値 <140 mg/dL
  • 食後2時間血糖値 < 120 mg/dL
  • GA < 15.8 %
  • HbA1c(NGSP) < 6.2 %

自己血糖測定(SMBG)の保険適応

  • 下記のいずれか一つを満たす
    • インスリンを使用している
    • 75gOGTTの基準3点のうち2点以上
    • 75gOGTTの基準3点のうち1点以上かつBMI≧25

治療

治療は食事・運動・インスリンです。 飲み薬による治療は胎児への安全性が明確ではないため使用されません。

食事療法

妊娠中はケトン体の産生がされやすいため、低炭水化物食は推奨されていません。 下記の食事療法が一般的です。

摂取カロリーについてもエビデンスはなく学会や施設によって異なっていますが、体重の推移を見ながら調節していきます。

  • 摂取カロリー (kcal)
    • BMI < 25の場合 標準体重(kg) × 30kcal + 200 ~ 350 kcal
    • BMI ≧ 25の場合 標準体重(kg) × 30kcal
  • 分割食
    • 1日3食を1日4~6食に分ける
    • 食後血糖値上昇を抑えることができる
  • 低GI食

運動

  • 母体胎児の状況次第
  • 産婦人科と相談してください

インスリン

  • 多くは1日4回が多い 1日1~2回時効型 + 毎食直前の超速効型
  • 時効型 レベミル
  • 超速効型 ヒューマログ・ノボラピッドなど

分娩後

  • 分娩すると血糖値は改善しインスリン必要量は減ります
  • 授乳中も内服薬は使用できず、高血糖の場合はインスリンを使う
  • 分娩後に血糖値が改善しても、定期的な受診が必要です

インスリン治療にかかる費用の目安

1ヶ月あたり約13,000 ~ 15,000円ぐらいが目安ですが、血糖値の状況による必要なインスリン量でかわります。

  • クリニックでかかる費用 約9,500 円
    • 導入3ヶ月は別途左記の費用あり 約1,740円
  • 薬以外で薬局でかかる費用 約410円
    • インスリン費用 
    • レベミル注フレックスペン 約2,601円 1本毎
    • ヒューマログ注ミリオペン 約1,952円 1本毎

インスリンの注射部位について

  • 安定した部位として
  • おへそから約12cmほど距離をとった腹壁がおすすめです
  • ペンニードル4mm < 合計10mm(=皮膚 2mm + 皮下組織8mm)
  • 痩せた妊婦であれば大腿部、臀部、上腕後方も考慮してもよいでしょう
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