65歳以上へのプラバスタチンによる一次予防は効果がないかもしれない。

スタチンによる一次予防としてはこちらの記事(mean age 60歳前後)でも紹介しておりますが、今回は65歳以上の患者様を対象にしたプラバスタチンによる一次予防の解析です。

■ 試験デザイン
TPECOに分けると下記のようになります

T Post hoc secondary data analyses of ALLHAT-LLT (1994年2月から2002年3月)
P 

ALLHAT-LLT参加者
(55歳以上かつ血圧140/90以上に加えてCHDリスクが1つ以上あるもの)のうち

・65歳以上
・ASCVD(冠血管疾患、末梢血管疾患、脳血管疾患)を既往に持たない患者

E プラバスタチン 40 mg/dl
C 通常ケア
O primary outcome = 総死亡



■ 結果

At year 6, of the participants assigned to pravastatin, 42 of 253 (16.6%) were not taking any statin; 71.0% in the UC group were not taking any statin. The hazard ratios for all-cause mortality in the pravastatin group vs the UC group were 1.18 (95% CI, 0.97-1.42; P = .09) for all adults 65 years and older, 1.08 (95% CI, 0.85-1.37; P = .55) for adults aged 65 to 74 years, and 1.34 (95% CI, 0.98-1.84; P = .07) for adults 75 years and older.

この論文からは、65歳以上の患者さんへプラバスタチンをルーチンに投与することは勧められなそうです。

ただし、比較対象が通常ケア群であり、通常ケア群は状態をみてスタチンを投与していることから一次予防のスタチンを禁止するほどでもないという結果だと思います。

今後も高齢者を対象としたエビデンスが少しずつ出揃ってくると良いですね。



■ 参照文献
Han BHet al., JAMA Intern Med. 2017 May 22.
PMID: 28531241