SGLT2阻害薬は尿路感染症を増やさないっぽいという大規模コホート研究報告

論文紹介等

ジャディアンスや、カナグルなどのSGLT2阻害薬は、尿から糖を排泄することにより血糖を下げる糖尿病治療薬です。 細菌の栄養となりうる糖を尿から排泄するため尿路感染症を増やすという副作用は販売当初から予想されていました。

実際にはSGLT2阻害薬が重度の尿路感染症のリスクになるか否かは相反する報告がなされていました。

 

SGLT2阻害薬と尿路感染症の関連について、大規模なコホート研究の報告があったので紹介します。

■ 試験デザイン

TPECOに分けると下記のようになります

T: 試験デザイン

大規模コホート研究

P: 患者背景

18歳以上の2型糖尿病

E: 介入 C:比較

コホート1: SGLT2阻害薬 vs DPP4阻害薬

コホート2: SGLT2阻害薬 vs DPP4阻害薬

O: アウトカム

主要アウトカム:
重症尿路感染症 (入院が必要な尿路感染症、敗血症を伴う尿路感染症、腎盂腎炎)

二次アウトカム:
外来治療で治療された尿路感染症

■ 結果

In cohort 1, persons newly receiving SGLT-2 inhibitors had 61 severe UTI events (incidence rate [IR] per 1000 person-years, 1.76), compared with 57 events in the DPP-4 inhibitor group (IR, 1.77) (HR, 0.98 [95% CI, 0.68 to 1.41]). In cohort 2, those receiving SGLT-2 inhibitors had 73 events (IR, 2.15), compared with 87 events in the GLP-1 agonist group (IR, 2.96) (HR, 0.72 [CI, 0.53 to 0.99]). Findings were robust across sensitivity analyses; within several subgroups of age, sex, and frailty; and for canagliflozin and dapagliflozin individually. In addition, SGLT-2 inhibitors were not associated with increased risk for outpatient UTIs (cohort 1: HR, 0.96 [CI, 0.89 to 1.04]; cohort 2: HR, 0.91 [CI, 0.84 to 0.99]).

今回の大規模コホート研究はコホート1、2ともに10万人以上の規模です。 この報告によるとSGLT2阻害薬と重症尿路感染症はなかったという結果になっています。

 

今回の報告だけではSGLT2阻害薬と尿路感染症の関連はないと結論づけることはできませんが、処方する立場としてはポジティブな情報として有用です。

またSLGT2阻害薬使用中の重症尿路感染症発症率が1000人年あたり1.7~2.1という情報も臨床的に参考になりました。

■ 参照文献

Dave CV et al., Ann Intern Med. 2019 Jul 30.
PMID: 31357213

 

■ 当院の紹介

名古屋糖尿病内科クリニック
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名古屋中村区で糖尿病内科を開業しています。 糖尿病が専門分野で高血圧、脂質異常症などの生活習慣病が得意ですがCPAPなど他の内科も対応しています。 また外来でのインスリン導入や栄養指導が可能で、妊娠糖尿病や糖尿病合併妊娠にも対応できます。

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名古屋糖尿病内科クリニック 院長・糖尿病専門医 平井博之

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