nonHDLコレステロールは心血管イベントリスクの参考になるよ

論文紹介等

脂質異常症の管理として、LDLコレステロールがよく使われていますが、Friedewald推定式で計測されたLDLコレステロールは中性脂肪や食事の影響が出やすいため、中性脂肪が高い場合や食後採血の場合はnonHDLコレステロールを参考にして治療を行っていきます。

nonHDLコレステロールはLDLコレステロールに比べて情報が少ないと感じていたところ、nonHDL-Cの値から心血管疾患イベントの発症確率を推定ツールが報告されていたので紹介します。

■ 試験デザイン

TPECOに分けると下記のようになります

T: 試験デザイン

risk-evaluation and risk-modelling study

P: 患者背景

一般人口

E: 介入 C:比較

nonHDL-C

O: アウトカム

複合エンドポイント=心血管イベント + 脳卒中

■ 結果

 Incidence curve analyses showed progressively higher 30-year cardiovascular disease event-rates for increasing non-HDL cholesterol categories (from 7·7% for non-HDL cholesterol <2·6 mmol/L to 33·7% for ≥5·7 mmol/L in women and from 12·8% to 43·6% in men; p<0·0001). Multivariable adjusted Cox models with non-HDL cholesterol lower than 2·6 mmol/L as reference showed an increase in the association between non-HDL cholesterol concentration and cardiovascular disease for both sexes (from hazard ratio 1·1, 95% CI 1·0-1·3 for non-HDL cholesterol 2·6 to <3·7 mmol/L to 1·9, 1·6-2·2 for ≥5·7 mmol/L in women and from 1·1, 1·0-1·3 to 2·3, 2·0-2·5 in men).

 


文献1 Figure 3

 

文献1 Figure 4

 

単位が日本と異なり、mmol/Lなので分かりにくかったので、mg/dLに換算してHRを計算しました(下記)。nonHDL-Cが100未満の場合と区kらべて143mg/dL以上だと心血管イベントは40%ほど増え、nonHDL-Cが220mg/dL以上だとほぼ倍になるとのことです。

 

vs < 2.6 mmol

(vs < 100 mg/dL)

男性

HR (95%CI)

女性

HR (95%CI)

2.6 to < 3.7 mmoL

(100 to ≦143 mg/dL)

1.1

(1.0 to 1.3)

1.1

(1.0 to 1.3)

3.7 to < 4.8 mmoL

(143 to <185 mg/dL)

1.4

(1.2 to 1.6)

1.4

(1.2 to 1.6)

4.8 to < 5.7 mmoL

(185 to 220 mg/dL)

1.7

(1.5 to 2.0)

1.6

(1.4 to 1.8)

≧5.7 mmoL

(≧220 mg/dL)

2.3

(2.0 to 2.5)

1.9

(1.6 to 2.2)

 

組み込まれた国が欧米なので、そのまま日本人に適応できないかもしれませんがとても参考になります。

nonHDL-C (mmol/L) = nonHDL-C (mg/dL) ÷ 0.0259

明日からの診療に使える良い論文だと思います。 是非日本人対象でも作ってみて欲しいですね。

■ 参照文献

  1. Brunner FJ et al.,Lancet. 2019 Dec 14;394(10215):2173-2183.
    PMID: 31810609

 

■ 当院の紹介

名古屋糖尿病内科クリニック
〒450-0002
名古屋市中村区名駅3丁目22番8号 大東海ビル3階308号

名古屋中村区で糖尿病内科を開業しています。 糖尿病が専門分野で高血圧、脂質異常症などの生活習慣病が得意ですがCPAPなど他の内科も対応しています。 また外来でのインスリン導入や栄養指導が可能で、妊娠糖尿病や糖尿病合併妊娠にも対応できます。

患者さまの転居等でご紹介先をお探しの方は是非当院へ。
GLP1作動薬を使ったGLP1ダイエット外来を始めてから、メディカルダイエットや医療痩身についても興味を持っています。

 

名古屋糖尿病内科クリニック 院長・糖尿病専門医 平井博之

タイトルとURLをコピーしました