2型糖尿病診断後の末期腎疾患リスクに続いて、1型糖尿病でも末期腎疾患リスク論文があったので紹介します。
■ 試験デザイン
TPECOに分けると下記のようになります
T: 試験デザイン
コホート
P: 患者背景
フィンランドの1型糖尿病患者
E: 介入 C:比較
糖尿病診断後の期間
O: アウトカム
末期腎疾患(ESRD)累積リスク
■ 結果
The cumulative risk of ESRD was 2.2% after 20 years and 7.0% after 30 years from the diabetes diagnosis. The relative risk of ESRD was 0.13 (95% CI 0.08-0.22) among patients diagnosed in 1995-2011 compared with those diagnosed in 1965-1979. Patients <5 years old at the time of diagnosis had the lowest risk of ESRD after diagnosis. With the cumulative risk of ESRD estimated from time of birth, the patients aged 5-9 years at diabetes diagnosis were at highest risk.
1型糖尿病診断後20年での末期腎疾患は2.2%とのことです。
2型糖尿病診断後20年では0.74%であったことを考えると、1型は3倍ほど末期腎疾患になりやすいようですね。
2型糖尿病は発症から診断までの期間が、1型よりもずっと長いため糖尿病診断後の腎不全リスクは2型糖尿病のほうが大きいと思っていたので、今回の報告は新鮮でした。 理由としては1型糖尿病のほうが、血糖コントロールが難しいためではないかと考えます。
また医学の発展も実感できますね。 1995~2011年に診断された1型糖尿病は1965~1979年に診断された1型糖尿病と比べて87%もESRDになるにくくなっています。 これは驚異的な進歩ではないでしょうか。
■ 参照文献
- Diabetes Care. 2018 Mar;41(3):434-439.
PMID: 29263163
■ 当院の紹介
名古屋糖尿病内科クリニック
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名古屋中村区で糖尿病内科を開業しています。 糖尿病が専門分野で高血圧、脂質異常症などの生活習慣病が得意ですがCPAPなど他の内科も対応しています。 また外来でのインスリン導入や栄養指導が可能で、妊娠糖尿病や糖尿病合併妊娠にも対応できます。
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GLP1作動薬を使ったGLP1ダイエット外来を始めてから、メディカルダイエットや医療痩身についても興味を持っています。
名古屋糖尿病内科クリニック 院長・糖尿病専門医 平井博之