青年期に糖尿病がある場合は精神疾患発症に注意が必要かもしれない。

糖尿病外来をしていると、精神科の受診歴や精神疾患の併存が珍しくなくないです。 糖尿病は精神疾患の発症リスクなのかな?と思っていたらこのような報告があったので紹介します。

■ 試験デザイン

TPECOに分けると下記のようになります

T: 試験デザイン

retrospective cohort study

P: 患者背景

精神疾患のない15歳

E: 介入 vs C:比較

糖尿病あり vs なし

O: アウトカム

精神疾患、自殺企図の発症

■ 結果

Individuals with diabetes were more likely to suffer from a mood disorder (diagnosed in the emergency department or hospital) (adjusted hazard ratio 1.33 [95% CI 1.19-1.50]), attempt suicide (3.25 [1.79-5.88]), visit a psychiatrist (1.82 [1.67-1.98]), and experience any type of psychiatric disorder (1.29 [1.21-1.37]) compared with their peers without diabetes.

この報告では青年期に糖尿病がある場合は精神疾患の発症リスクが29%高くなるようです。

特に自殺企図については、aHR 3.25とかなり高い状況です。 精神疾患発症だけで説明できるかどうかは疑問が残りますが、報告としてこれだけ自殺企図のaHRが上がることは知っておくべきかもしれません。

何らかのサインがあれば、すぐに精神科に紹介するなど、連携をとりながら対応していく必要があります。

明日からの臨床判断に使えそうな論文だと思います。

■ 参照文献

Robinson ME, et al. Diabetes Care. 2019 Dec 16. pii: dc191487.
PMID 31843949

■ 当院の紹介

名古屋糖尿病内科クリニック
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名古屋中村区で糖尿病内科を開業しています。 糖尿病が専門分野で高血圧、脂質異常症などの生活習慣病が得意ですがCPAPなど他の内科も対応しています。 また外来でのインスリン導入や栄養指導が可能で、妊娠糖尿病や糖尿病合併妊娠にも対応できます。

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GLP1作動薬を使ったGLP1ダイエット外来を始めてから、メディカルダイエットや医療痩身についても興味を持っています。

名古屋糖尿病内科クリニック 院長・糖尿病専門医 平井博之