SGLT2阻害薬 vs DPP4阻害薬 心血管リスクと四肢イベント

エンパグリフロジンの論文後より、DPP4阻害薬よりもSGLT2阻害薬を優先的に処方することが増えました。

今回の論文では後ろ向きコホートとして、DPP4阻害薬とSGLT2阻害薬を比較する論文がでていたので紹介。

■ 試験デザイン

TPECOに分けると下記のようになります

T: 試験デザイン

後ろ向きコホート研究
傾向スコアマッチング

P: 患者背景

2型糖尿病

E: 介入

SGLT2阻害薬

C:比較

DDP4阻害薬

O: アウトカム

心血管リスク

四肢イベント

■ 結果

The use of SGLT2i had comparable risks of ischemic stroke and acute myocardial infarction, and was associated with lower risks of congestive heart failure (CHF) [hazard ratio (HR): 0.66; 95% confidence interval (CI) 0.49-0.89; p = 0.0062], lower limb ischemia requiring revascularization (HR: 0.73; 95% CI 0.54-0.98; p = 0.0367) or amputation (HR: 0.43; 95% CI 0.30-0.62; p < 0.0001), and cardiovascular death (HR: 0.67; 95% CI 0.49-0.90; p = 0.0089) when compared with the DDP4i group after PSM. 

少しずつDPP4阻害薬の存在感が失われてきたように感じます。
効果ならSGLT2阻害薬かGLP1作動薬で、値段ならSU薬という判断です。

SGLT2阻害薬との合剤以外に生き残ることは難しいかもしれませんね。

■ 参照文献

Cardiovasc Diabetol. 2020 Sep 30;19(1):160.
PMID: 32998736

■ 当院の紹介

名古屋糖尿病内科クリニック
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名古屋中村区で糖尿病内科を開業しています。 糖尿病が専門分野で高血圧、脂質異常症などの生活習慣病が得意ですがCPAPなど他の内科も対応しています。 また外来でのインスリン導入や栄養指導が可能で、妊娠糖尿病や糖尿病合併妊娠にも対応できます。

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名古屋糖尿病内科クリニック 院長・糖尿病専門医 平井博之