カナグリフロジンの骨折リスク GLP1作動薬との比較

カナグリフロジンと骨折についての報告は割れていて、CANVAS試験では骨折リスク増加が報告され、CANVAS-Rでは骨折リスク増加はなかったという状況でした。

今回カナグリフロジンと骨折リスクについての、コホート研究論文を見つけたので紹介します。

■ 試験デザイン

TPECOに分けると下記のようになります

T: 試験デザイン

コホート研究

P: 患者背景

新規で下記薬を使用する2型糖尿病

E: 介入

カナグリフロジン

C:比較

GLP1作動薬

O: アウトカム

治療を必要とする、上腕骨、前腕骨、骨盤、大腿骨の骨折

■ 結果

The rate of the primary outcome was similar for canagliflozin (2.2 events per 1000 person-years) and GLP-1 agonists (2.3 events per 1000 person-years), with an overall HR of 0.98 (95% CI, 0.75 to 1.26).

この結果を見る限りでは、カナグリフロジンはGLP1作動薬と比べて骨折リスクをあげないようですね。

今後の報告も注意しながら追っていくようにしましょう。

■ 参照文献

Fralick M et al., Ann Intern Med. 2019 Feb 5;170(3):155-163.
PMID: 30597484

■ 当院の紹介

名古屋糖尿病内科クリニック
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名古屋中村区で糖尿病内科を開業しています。 糖尿病が専門分野で高血圧、脂質異常症などの生活習慣病が得意ですがCPAPなど他の内科も対応しています。 また外来でのインスリン導入や栄養指導が可能で、妊娠糖尿病や糖尿病合併妊娠にも対応できます。

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名古屋糖尿病内科クリニック 院長・糖尿病専門医 平井博之